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映像感触
Dead Poets Society ─ いまを生きる
琴線を奏でられた。触れるという言葉では足らない。映画館で、あるいは人前で見なくて良かったと、思う映画と時たま出会う。身も世もなく泣き出してしまって、とても一人家で見るほかないような作品だ。本作はこれに当たる。感動作というくくりらしいが... -
映像感触
イル・ポスティーノ
イル・ポスティーノ。ささやかな手紙の形をした映画である。イタリアのうら寂れた美しい島での物語。ちいさな物語。私は詩人になりたいというよりか、詩人のように言葉と戯れたいと願ってきた。詩人とは何たるかも知らず。しかしこの映画を見てわかった... -
生鮮表現
Martín García García ─マルティン・ガルシア・ガルシア
一曲目の幻想ポロネーズから、目頭がにじんだ。予期しない涙だった。音色だとか、タッチだとかテクニックだとか、そういうのに感動して出た、涙ではない。まったく不意に、魂の底をつっと人差し指で押されて、こぼれた涙なのだ。母の友人が招待してくれ... -
日記・旅行記
二十歳
二十歳になった。とうとう、言い逃れのしようもなく、成人。人と成らねばならない。おぞましい。恐れていた大人になったのか、この私が。月日に追いつかれたのだ。時から逃げられなかったのだ。 こんな自分がいったい、一人前の人間なのか。自分はすっ...
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